観音霊場第二十二番礼所 三重四国八十八ヶ所第十六番礼所 伊勢西国第十九番礼所

ちかひ(誓い)あり いつも桜の花なれば 見る人さへや ときは(常盤)なるべし  称徳帝


「天平宝宇年中、雷火の為焼失した伽藍後に芽生え、四季に花葉絶えず、称徳帝勅使をして禁庭に移させ給ふに、一夜にして枯れて見へければ桜を寺へかへさせ給ふ直ちに蘇生す、帝益々御帰依あらさせ給ふ」(縁起)

奈良時代、落雷により焼失したお堂の跡から、一本の桜が芽吹きました。不思議なことに厳寒の中も白い健気な花を咲かせる桜でした。勅使により、時の帝に献上されましたが、花は咲かず、元の位置に戻すと一夜にして花を咲かせました。帝はお喜びになられ、観音様の智慧の力が咲かせる有り難い桜であるとされ、断えない桜として、「不断桜」とよばれ子安観音寺の大切な御霊木となりました。
不断桜は永い歴史の中、様々なご縁が生まれました。安産のお守りには、桜の葉が封入され、どんなに厳しい中でも花を咲かせるその御功徳に、母子の御健勝と、お子様の健やかな御成長をお祈りしました。
白衣観世音様の白い衣は、「あなた色に染まって下さる」というお誓いの表れでもあります。思い悩む私たちの心に寄り添って、一緒に泣いて下さる大悲の誓いを表しているのです。
厳寒の中に咲く、白い衣を着た観音様のお姿の様な不断桜に手を合わせ、心より感謝の気持ちで、意願成就・家内安全・心身健全をお参りいたしましょう。

  • 朝九時より、境内の不断桜御前にて読経いたします。御参拝の皆様には、御焼香をして頂きます。

  • 御本堂にて、法要が執り行われます。読経の後、御住職により御授戒の儀式が行われ、ほとけ様との素晴らしい御縁結びとなります。皆様、どうぞ御参拝下さい。
    また、千年以上の歴史がある観音寺御参詣の皆様への授与記念品、「富貴絵」を供養いたします。「富貴絵」には伊勢型紙創始説があります。
    世界に誇る伝統工芸「伊勢型紙」は、不断桜の虫食い葉の巧妙な自然の紋様から創始したとも云われます。その昔、久太夫という翁が、不断桜の葉を見て創造したのが「富貴絵」と呼ばれ、その元になったと云われているのです。
    この日特別の不断桜供養祈祷札は受付にて授与いたします。

3月17日/境内ならびに本堂